空中庭園 特別初回限定版出演:
ポニーキャニオン
発売日 2006-05-26
???京橋家のルールは、何事も包み隠さないこと。しかし、長女マナが誕生のきっかけがラブホテル「野猿」ということまで赤裸々に語られ、マナはとまどう。長男のコウはそのラブホの建築に興味を持ち、言ってみようと不動産屋の女性に案内を頼むが、彼女は父の愛人だった。マナが学校をさぼって援交をしていたり、父にはふたり愛人がいたり、家族には隠し事が多く、そしてルールを作った絵里子にも知られたくない過去があった。
???角田光代の同名小説の映画化。幸せ家族は学芸会のようなもの。仲のいい家族が、それぞれ秘密を抱えつつも、じつはその幸せ家族を守りたいと思う姿もあると映画は語っているよう。思い込みが自分の首を苦しめ、間違うと幸福を見失ってしまう危険をはらんでいることも教えてくれる。決して特別なファミリーの物語ではない、どこの家族にもありうる話なのではと思わせる、現代の家族の姿を切り取ったドラマだ。壊れた主婦を小泉今日子が好演。鈴木杏、ソニン、大楠道代、勝地涼、板尾創路が共演している。(斉藤 香)
欺瞞を吐き出すということ 2006-08-14
家族とは何かとか、絆とは何かなどと、考える前に、その緩いながらも目が回りそうな映像と、狂気的なブラックユーモアが、まずは印象的だった。そもそも僕は予備知識なしに見たのでこれは、ブラックコメディかと思ったくらいだった。
秘密は誰にでもある。全てを曝け出して生活する家族などいるはずはない。しかし、小泉演じる絵里子は、忘れ去りたい過去を封印して、新しい世界を築きあげようとしていた。確かに家族とはいえ、全てをオープンにというルールは、どうやっても不可能な行為だ。当然、理想と現実は違う。絵里子ほど心のトラウマを持たない他の家族3人は、当然、家庭が窮屈になる。つまり、過剰なほど、皆が裏切り行為をしていくのは、実は絵里子の心の闇に比例しているといえる。とはいえ、観ていると絵里子の悲しさも分かる。雨に打たれながら、叫ぶシーンなど、とても切実で、隠さねばならない苦しみがもろに伝わってくる。
しかし、これまでの苦しみ全ては過程だったのだ。最後には、欺瞞を吐き出さなければ、ならなかったのだと思った。
トータルでは、衝動的ともいえる各キャラの行動と、ゆっくりとした空中庭園を表すさまざまなモチーフが、対照的で、映画にメリハリが付いているし、全体的な映像の美しさと音楽のセンスの良さも、この映画を美しくしていると思う。
それにしても、板尾が演じた父親は、まさに板尾にぴったりのナイス・キャストだと思った。
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