緋色のペンダント |赤川 次郎


緋色のペンダント
赤川 次郎
光文社 刊
発売日 1993-09



愛憎と逆恨み 2006-03-18
今巻でも「またしても」爽香は命を狙われる。今回のテーマは「浮気」に伴う愛憎であり、複数の浮気が同時進行する内容となっている。浮気の非倫理性と緋色との関係について、巻末で推理小説研究家の山前譲氏が非常に密度の濃い解説をしてくれている。爽香シリーズは巻末で色々な文芸関係者の解説がなされているが、その解説内容はなるほどと思うものから、少しお粗末?かなと感じるものまで様々だ。とにかく、著者の他の著作でも浮気の問題をからめたものが多いが、それが過剰にどろどろとしたものにならないのは、著者の軽妙なタッチの成せる業だろう。



今後の展開は別にして、今巻での爽香と明男の仲はかんばしいものでは無いが、明男の態度には男としての不甲斐なさを感じる。ただ、聡明で好奇心旺盛な爽香と付き合うには、相応の覚悟が必要だろう。ひょっとすると明男は爽香のこれまでの無鉄砲な行動に少々疲れたのかも知れない。



今巻では、偏差値的勉強をし過ぎた超自己中心的思考の医大生も登場し、奇妙な逆恨みぶりを発揮する。この様な人間は医師には全く不向きだ。


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