琥珀色のダイアリー
赤川 次郎
光文社 刊
発売日 1992-09
複雑な人間関係 2006-03-16
今巻で描かれる人間関係は表面的実質的両面で複雑だ。爽香が家庭教師をつとめる多恵の家庭内、それから爽香の恋人明男を取り巻く環境、さらに、この物語の舞台となる会社でのゴタゴタなど。テンポ良く読み進む事が出来る著者の作風に乗ると、それらの複雑さに置いていかれそうになったが、だんだんと把握出来る。今巻も結末の場面はアクション映画並にダイナミックでハラハラとさせられる。
タイトルの「琥珀色のダイアリー」は多恵を取り巻く複雑な人間関係の象徴だとも読み取れる。多恵が大切に持っていたダイアリーの中身が最後に明かされるが、その意味するものには考えさせられる。
今巻では前巻「薄紫のウィークエンド」と同様に、家庭内の問題が大きく取り上げられているが、これらの作品が主張している事は、家というものは家族の頻繁な出入りが無ければ成り立たないという事だと思う。仕事や金銭の問題、愛情の問題などよりも、家に家族が出入りするという単純な事の方が優越するのかも知れない。
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