瑠璃色のステンドグラス
赤川 次郎
光文社 刊
発売日 1995-09
恋は盲目 2006-03-21
男女の関係は理屈や倫理では説明出来ないものがある。今巻ではこの事が同時進行的に描かれている。これは著者が得意とするテーマだ。新人作家五十嵐、入間、明男などを取り巻く女性関係は外聞的には屈折している。ここに介在する恋愛感情は第三者に理解出来るものではないという事を著者は強調したかったのだと思う。
しかし爽香の明男に対する態度は、やはり割り切れ無さの片鱗を見せながらも、倫理観を優先して過干渉になってしまう。それは爽香の性格の愛すべき部分だ。また、新人作家五十嵐はろくでなしで脆弱なポリシーの持ち主として描かれている。作家である著者がこんな作家を描けるのは、実力人気ともに安定している著者故だ。おそらく作家デビューのハードルよりも、安定した質の作品を供給する事のハードルの方が高いのだろう。
瑠璃色のステンドグラスというタイトルは安田里美が今回学んだ「現実」の象徴だ。
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