村の写真集 |三原光尋


村の写真集村の写真集
出演:
エスピーオー
発売日 2005-11-03


???ダム建設のあおりを受けて、まもなく沈もうとしている山奥の花谷村。村役場の依頼を受けて、村の写真館の高橋研一(藤竜也)は村のすべての家族の写真を収めることになり、東京で写真家をめざす息子の孝(海東健)を助手として故郷に呼び戻した。かねがね父に反発してきた孝だが、一軒一軒険しい山道を歩きながら写真を撮り続ける父の背中に、いつしか彼は何かを感じるようになり…。
???雄大な自然を背景に、父と子の心の絆を描いたヒューマン映画。ここには大自然の映像美と名優・藤竜也の卓抜した存在感が見事に調和し、まるで中国映画を観るかのような素朴で奥深い優しさの趣があり、これまでコメディと叙情的青春ものでキャリアを培ってきた若手・三原光尋監督の実力が本物であることを広く知らしめた秀作といっても過言ではない。日本での公開は地味に終わったものの、上海国際映画祭最優秀作品賞&男優賞受賞など、世界各国で評価された現代日本映画の名作として、強く一見をお勧めしたい。(増當竜也)

よき日本映画の香りがします 2005-08-24
徳島の美しい自然をバックに、父と息子がひとつの仕事を通して、地元の人たちと触れ合いながら心を通わせてゆく。フォ・ジェンチイ監督の「山の郵便配達」みたいですね。事実、父子がめぐる村の風景の美しさ、そこに暮らす人たちの笑顔のなんと優しいこと。ただ、この映画は息子だけでなく、娘との和解まで描いていて最後は「家族の物語」となっていましたけどね。
今年、1月にお亡くなりになってしまいましたが、戦争から帰らぬ息子を待ち続けるおばあちゃんを演じた桜むつ子さんには圧倒されました。「スゥイング・ガールズ」のとぼけたおばあちゃんも印象的だったけど、この映画では歯を抜いてまで役になりきって臨んだそうです。演技とは思えない笑顔がホントに素晴らしかった。もちろん、写真を撮ったあとに、必ず脱帽して「ありがとうございました」と頭を下げる藤竜也も写真家の誇りをにじませる名演でしたし、海東健も、父親に反発し、どこか侮蔑しながらも父親の素晴らしさを肌で理解する息子役がすごく似合っていました。
父親がリュックに入れた写真機を背に、山道を画面左から右へかくしゃくと歩く。後を、三脚などを入れた道具袋を肩に息子がやや遅れてついて行く。そして、父親ひとりだけ、息子だけになり、また寄り添って親子がというように、この固定画面を繰り返し印象的に使った演出が巧かった。
エンドクレジットと共に父親の撮った村人の笑顔や、美しい風景を繋ぐ演出も心憎いばかり。多少不要かなと思われるエピソードがあるものの、全編を通して丁寧に優しい思いを込めて撮ったという印象が伝わってきます。


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